【お知らせ】
2024/07/08
2024年6月19日のNHK総合テレビ「おはよう日本」内のコーナー「おはBiz」にて、建設現場における最先端技術の活用事例として 「インバートプロジェクションマッピングシステム」が取り上げられました。
海外で放送する「NHKワールド JAPAN」でも再放送が予定されております!是非ご覧ください。
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NHK総合テレビ『おはBiz』建設現場 「プロジェクションマッピング」でどう変わる?
建設現場 「プロジェクションマッピング」でどう変わる?|おはBiz|おはよう日本|NHK
インフロニアグループの前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:前田操治、以下「当社」)と株式会社前田製作所(本社:長野県長野市、代表取締役社長:塩入 正章、以下「前田製作所」)は、 プロジェクションマッピングを活用したトンネル施工管理技術として「インバートプロジェクションマッピングシステム(以下、「当システム」)」を開発しました。
当システムは、トンネル におけるインバート掘削時の出来形を管理する技術であり、レーザー計測によって地面の高さを精密に把握し、掘削が必要な深さに応じて色分けされた画像を地面に投影するものです。これにより、足場が不安定な場所や重機の近くなどに作業員が立ち入ることなく安全に管理でき、重機のオペレーターのみで効率的に精度の高い施工ができます(写真-1)
写真-1 トンネル現場における本システムの利用状況
当システムは、人手不足が深刻な建設業界において、省人化や作業員の安全確保に繋がる有効な技術であるとともに、アートやエンターテイメント分野で広く活用され一般の方にもなじみのあるプロジェクションマッピング技術の異分野における事業、社会課題解決への活用事例であり、新たな技術活用の可能性としても注目されています。
当社では異分野技術も含めた多様な技術の可能性を追求し、建設業界の労働生産性と安全性の向上を目的とした技術開発を推進し、引き続き建設業界の課題解決を目指していきます。
■当システムの概要
<開発の背景>
山岳トンネルにおけるインバート(トンネル底面を逆アーチ型にコンクリートで固めた部分) (図-1)の掘削高さの確認は、トンネル側壁左右に基準となる水糸等を張り、そこからの下がり寸法を確認する方法が一般的です(写真-2)。この方法では、水糸を細かく移動する必要があるため、全面での仕上がり精度の確保に苦労してきました。また、掘削高さの確認は2名以上の作業員で行う必要があり、足場が不安定な上、重機の近くに人が立ち入るため、安全確保が課題となっていました。
そこで当社では、LiDAR(Light Detection And Ranging:光による検知と測距)などの3Dスキャナーで計測した実測値と設計値の差分を、プロジェクターによりインバート掘削面に色分け表示可能な本システムを開発しました。本システムにより、掘削高さや範囲の面的な管理 とインバート内に立ち入らない高さ管理が可能となり、仕上がり精度等の品質確保と安全性向上を実現しました。
図-1 インバート図面
写真-2 従来の掘削高さ確認方法
<本システム構成>
本システムを構成する主な試験機器は、①高所作業車、②LiDAR、③プロジェクター、④計測用パソコン(以下、「PC1」)、⑤画像処理、投影用パソコン(以下、「PC2」)、⑥LiDARの座標設定用ターゲット、 ⑦トータルステーション(以下、「TS」)です。高所作業車のバスケット部分にプロジェクターおよびLiDAR を取り付け計測実施いたします(図-2)。
トンネルの様な狭い施工空間をより有効活用するため、 高所作業車の代わりに、小型移動式クレーン「かにクレーン」にLiDARを搭載して計測、照射することも可能です(図-3)(写真-3)。なお、かにクレーン仕様は、前田製作所の協力のもと開発しました。
図-2 インバートプロジェクションマッピングシステムの主な構成(高所作業車仕様)
図-3 インバートプロジェクションマッピングシステムの主な構成(かにクレーン仕様)
写真-3 かにクレーン仕様での照射状況(当社研究施設ICI模擬トンネル内にて)